2021.07.15
おおさか調査委員会 編集部

オンライン授業は名ばかり、その実態とは…

大阪市で実施されたオンライン授業は、全く学校にいかないで良くなったかと思いきや、実はそうではありませんでした。

オンライン授業実施時の時間割の一例

1時間目:オンライン授業
2時間目:オンライン授業
学校へ登校する
3時間目:各種指導や課題の提示など
4時間目:各種指導や課題の提示など
給食
下校
5時間目:オンライン授業
6時間目:オンライン授業

といった変則的なものとなっています。しかし、このオンライン授業部分がトラブル続きとなっています。

トラブル続きで教育現場も大混乱

大阪市立磯路小学校 糸井利則校長
「インターネットがもうつながらない、つながらない、コールセンターのように電話かかってきた。電話がずっと話中だからといって家からタブレット持ってきて行列ができるという混乱・パニック状態が1日、2日続いた」

(中略)
午前中は、全校が一斉にオンライン授業を行えば、容量不足でインターネットの回線がパンクする恐れがあり、各校に割り当てた時間は、1週間でわずか40分ほどと限られた時間でした。

浪速区の大国小学校では、市のスケジュール通りに、4月末からオンライン学習を始めましたが、家庭の要望に応じてオンラインか対面かを選択できるようにしていました。

すると、5月11日ごろには、9割の児童がオンラインを選択せず、通学するようになっていました。

【特集】大阪市 オンライン授業で現場が混乱見えた課題とは?(外部リンク)

オンライン授業について、学校現場からは戸惑いの声も上がる。

市立墨江丘(すみえがおか)中学校(大阪市住吉区)の林憲治郎校長は「学校によってはハード面もソフト面も整っておらず、格差が生じる」と懸念を示す。

同校には全校生徒分のパソコンが配備されたが、アダプターは1学年分しかなく家庭では充電できない。

林校長は「約500人の生徒に一斉に動画配信できる回線も整っていない」と指摘する。昨年の臨時休校中と同様、必要な生徒には端末を貸与。学習には民間が提供する授業動画を活用し、ホームルームをオンラインで行う方針という。

市立大国小学校(同市浪速区)では、他校のアクセスが集中しがちな午前を避け、毎日午後の1コマ程度をオンラインでつなぐ形を想定。授業が長時間になれば児童の集中力が途切れがちになるため、プリント学習が主体となる。

岡田治美校長は「市長が方針を表明した以上、学校が『できない』というのは保護者に説明がつかない」と話し、オンライン授業開始後も「ネットにつながらないなどトラブルがあれば教員が家庭訪問する。そのくらいの細やかな対応が求められる」とみる。

「学校ごとに格差」「回線整わぬ」緊急事態時原則オンライン授業の大阪市、戸惑いも(外部リンク)

アダプターがPCの数に足りていないというのは一体どういう発注をしたら起こるのでしょうか?ありえないような状況が起こっていることが見て取れます。回線の整備すらできていない。松井市長の勇み足であったのはあきらかでしょう。

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オンライン授業を断念する学校
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