2020.10.28
都構想調査委員会

各テレビ局で盛んに住民投票に向けた討論会が開かれています。

ここで盛んに言われているのが現在案では各区役所の新庁舎は建てないプランで、中央庁舎に各区が区役所スペースを間借りするという、ある種特殊な仕組みが提案されているのですが、反都構想陣営のチラシ等の将来試算で庁舎建設費が含まれていることが紛糾しています。

松井一郎市長や、公明党は「協定書に載っていない内容で不当だ」と激しく攻撃をしています。

法定協議会で「暫定的なもの」と言われていた間借り庁舎

公明党の山田委員の発言として

「当然この中之島庁舎のフル活用は建設も賃借も不要ということで、こうなったとしてもこれはあくまで暫定的なものというふうに我々も認識しております。」

引用:(外部リンク)第27回 大都市制度(特別区設置)協議会について 第27回議事録 25ページより

「ニア・イズ・ベターの観点であったり、近年、災害多いので、この対応など考えると、職員体制について、やはり特別区内において完結する、従事するということが一般的な考え方になるのかなというふうには思います」

…とあり、公明党は間借り庁舎はあくまで「暫定的なもの」としていたのです。先日のABC「キャスト」や読売テレビ「Ten」の討論会での公明議員の松井知事と一緒になっての「協定書に無い庁舎建設を入れ込むのはおかしい」と自民党の試算へのバッシングは耳を疑うものです。

こうまで法定協議会で言われていたものですから、将来ありうる試算として盛り込むのは全くおかしなことではないはずです。

また、維新の今井豊会長も、公明の意見を受け、各特別区ごとの庁舎整備につい付帯意見としたいとまで言っているのです。

引用:(外部リンク)第27回 大都市制度(特別区設置)協議会について 第27回議事録 30-31ページより

「私としては、庁舎整備が協定書記載事項ではないため、協定書に記載することは考えておりませんが、その趣旨について、今後協定書の取りまとめに向けた方向性を確認する中で、あるいはそれを盛り込んでいきたいと、付帯意見的なものとしても居こんでいきたいといふうに考えております」

このように将来各特別区での庁舎建設は「ありうる」という話で法定協議会では話し合われたのです。

このおおいにありうるはずの、将来の庁舎建設費は、将来シミュレーションで盛り込むのは決して突飛なことではないはずです。

このあたりの法定協議会の内容は、市民に配布された「大都市制度(特別区設置)協議会」だより(第27回、第30回法定協議会)にも「まとめ」として載っています。

引用:(外部リンク)「大都市制度(特別区設置)協議会」だより【第9号】2面(PDF) より

公明の山田委員も述べている通り、間借り庁舎とはあくまで移行時に一挙にあらゆる負担が重なり事務に支障が無いようにあくまで移行時の暫定措置として考えられているのです。

さらに会長(維新・今井豊)まとめには、将来に各特別区で庁舎整備について、移行後の最初の整備に限り各特別区の中での財政調整の中で特別交付金を行うとし、完全に各区の新庁舎は予定されている。

これで将来試算に庁舎整備を盛り込むなというほうがおかしいのではないでしょうか。

協定書に無いことをアピールしまくる維新のビラ

「協定書に無いことをビラに書くな」という維新と公明ですが、では当の維新の広報物はどうなのでしょうか?

こんなこと協定書のどこにもない内容で、酷いとしか言いようがないものです。何を根拠にこんなことを断言し、約束しているのか?

左下に読めないような極小の文字でこんなことが書いてあります。

「あなたの1票で決まる。特別区長の裁量次第です。」

市民を馬鹿にしているのでしょうか?こんなことを言えば、「プールを100個作る」でもなんでも言えます。あくまで法定協での内容を踏まえ、庁舎建設費を盛り込んでる相手を非難しながら、維新自身がこれでは話になりません。

協定書に無い内容を市民にばらまいているのは維新というべきです。

しかも、読めないような文字でそんな保障などないことをこっそり言いわけに入れている。

こんな卑劣な手段で市民を騙して可決しても、絶対に禍根を残すことになります。大阪市民を馬鹿にしているとしかこれでは言いようがありません。
維新は正々堂々と住民投票を戦うべきです。