2022.01.27
おおさか調査委員会 編集部

日本のマネーロンダリング対策の現状は?

読売新聞 資金洗浄対策 日本を抜け穴にしてはならぬ

世界のマネーロンダリング(資金洗浄)の手口は巧妙になっている。対策の強化が急務だ。

資金洗浄は、犯罪で得た資金を偽名口座に移したり、口座から口座へ転々と動かしたりして出所をわからなくし、捜査の手を逃れる行為だ。

各国・地域の資金洗浄対策を調べている国際機関の「金融活動作業部会(FATF)」は、日本に関する審査報告書を公表した。

(中略)

2008年の前回審査では、先進7か国で最低の評価を受け、日本は資金洗浄に甘い国だと見られるようになった。

報告書は今回、一定の改善を認め、一番下の「観察対象国」にはしなかったが、大手銀行以外では継続的な顧客管理に不備がある点などを問題視した。

引用元:読売新聞オンライン「資金洗浄対策 日本を抜け穴にしてはならぬ」

野村総合研究所 マネロン対策で日本は合格点を得られず

各国・地域の資金洗浄対策を調べている国際機関の「FATF(金融活動作業部会)」は、日本に関する審査報告書を8月末に公表した。2008年の前回審査で日本は、先進7か国中で最低の評価を受けてしまった。そしてFATFは改善の進捗が遅いとして、日本を名指しで批判した。日本は「マネロンに甘い国」との烙印を押されてしまったのである。今回の審査は名誉挽回のチャンスであったが、実際はそうはならなかった。

FATFによる日本の評価は、3段階で最上位の「通常フォローアップ国」に次ぐ2番目の「重点フォローアップ国」だった。多くの分野で改善が必要とされるレベルで、米国や中国、スイスなどと同じである。一番下の「観察対象国」となれば、国際的な金融取引に制約が出る恐れもあった。実際には、最下位の「観察対象国」となる可能性もあったが、日本側からの事前の強い働きかけによって何とかそれを免れた、との指摘もある。

引用元:野村総合研究所「マネロン対策で日本は合格点を得られず」

他国に対抗する拠点を作ると言いながら、東京も大阪もという矛盾

「国際金融都市構想」は、ロンドンやニューヨーク、香港やシンガポールに抗するような巨大な金融集約都市を作る話のはずですが、東京でも大阪でも(さらには福岡も兵庫も)という声が挙がっているのは矛盾した話ではないでしょうか。

この国際金融都市分散論は、大阪府の資料にも「東京一極集中が問題」とその必要性根拠として挙げられています。

引用元:国際金融都市OSAKA 戦略骨子素案(たたき台)

引用元:国際金融都市OSAKA戦略骨子素案(たたき台)よりhttps://www.pref.osaka.lg.jp/attach/39795/00398000/03_soann.pdf

もし、本当に「国際金融都市」を目指すなら、むしろ集中が足りないのではないでしょうか?

大阪府の資料には、複数都市が必要という説明がなされています。

引用元:国際金融をめぐる世界の情勢
https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/39795/00000000/2020-11-18.pdf

引用元:国際金融をめぐる世界の情勢
https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/39795/00000000/2020-11-18.pdf

他国での第一、第二都市の比率などの比較もあり、米国においてニューヨークとは得意分野が違う特化した補完都市としてシカゴや、複数の金融都市があるというオーストラリアの事例もありますが、これは既に集約しきった国際金融都市がある上で広い国土の中で分散したもので、狭い国土の日本で東京と大阪に分散することで本当に国際競争力のある金融都市を作ることに資するのか、よくよく研究と検討が必要です。そのうえで進めなければ、単に小規模化しただけに終わる可能性があります。

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菅前総理に呼応し、さらに大阪を特区にし、金融界の外国人優遇を求める吉村知事
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