え?区役所がなくなる?
大阪市を廃止し、特別区を設置する、いわゆる大阪都構想が実現すると、区役所がなくなります。そうすると、大阪都構想の目的の1つ「ニア・イズ・ベター」、住民に身近な行政という観点が失われてしまうことになりますから、現在の区役所を活用して「地域自治区事務所」を置くこととしています。
だけど大丈夫、地域自治区事務所を設置します。
「地域自治区」とは、地域住民の意見を反映させながら市町村(特別区を含む)の事務を処理するためのもので、言わば「出張所」のようなものです。
3.地域自治区
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(一)地域自治区の設置
大阪府:特別区設置協定書(案)P.18
特別区設置協定書(案)では、当初、現在の24区役所をそのまま「地域自治区事務所」とするとしていましたが、2019年9月の法定協議会で「市民が慣れ親しんでいる『区役所』の名称も残すべきだ」という提案を受け、名称は現区役所のまま、例えば「中央区役所」とするとしています。
(2)地域自治区の設置
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住⺠⾃治の強化や住⺠と⾏政との協働の推進などを⽬的とした地⽅⾃治法上の制度である「地域自治区」を現在の地域コミュニティの単位である24区単位で設置
名称は、○○地域自治区とする(○○には、現在の区名を残す)
大阪市:第3回大都市制度協議会 資料2-8 特別区素案(各論)7.地域自治区・地域協議会
ということですので、例えば新たに設置される特別区、中央区の場合、「中央区役所」の中に「中央区役所」が置かれるということになります…。
では、地域自治区では実際にどのような業務が行われるのでしょう。
地域自治区事務所では、
- 保育所の入所手続きや児童手当受付など子育て支援、ひとり親家庭等の支援などのこども施策
- 生活保護や障がい者福祉、国民健康保険、介護保険、国民年金等の届け出などの福祉施策
- 健康診断、予防接種、医療費助成などの健康に関する施策、食品・環境衛生関係相談、狂犬病予防、動物愛護など保健施策
- 就学事務など教育施策
- 住民登録、印鑑登録、戸籍関係に関する事務、DV相談、地域活動支援に関する事務など住民生活関連
- 地域自主防災の支援
- 税関係証明書の発行、区税の収納
を主に行うとしています。
このように住民に身近なところで市民サービスを維持するために、地域自治区では多岐にわたるサービスが「今までどおり」提供するとしていますが、それなら「今のままでいい」という意見もあります。
また、新たに設置する特別区では、いま大阪市が持つ教育委員会、児童相談所、保健所などを4分割してそれぞれに設置することで、より住民に身近な基礎自治体となり、きめ細かいサービスができるとしています。
このように、住民にとっていいことづくめ?なのですが、大阪府と特別区、地域自治区、新しく設置される一部事務組合の連携や調整といった新たな業務が発生してくるのではという不安要素もあります。