2021.08.10
連載:大阪の短い政治史を振り返る ①「橋下徹という政治家について」
橋下氏が維新の代表になってから変わったこと
変化する評価
「2万パーセントない」に代表される「言うことがコロコロと変わる」といった態度が目に見えて増えてきたからである。戦術的な方向転換と言うよりは、単に一貫性のない主張にすぎないと感じる場面が多かったように思う。
「国政には進出しない」と言いつつ国政政党を立ち上げたり、大阪府の改革を唱えて府知事になったはずが、いつの間にか破壊のターゲットが大阪市へと心変わりしたりと、いくつもの言動が猫の目どころかフラッシュライトのように変化した。
ちなみに、府知事選への出馬を決めた橋下を自民党選対幹部に引き合わせた同党大阪府連の幹部も、
「自民党の支持を得て当選したのに、民主党政権が誕生すると途端に寝返った。彼を政治家に推したことを後悔している」
と怒っていたものだ。
橋下の政治的な行動力も電光石火で素早かったのは事実である。様々な功罪があるにしても、橋下が府知事、市長として大阪の舵取りをした8年間は大阪に大きな足跡を残していったのは間違いない。
もっとも、橋下や維新が進めた政策には功罪がある反面、その「功」にしてもことさらデフォルメしたりもした。